「あっ、またいいことあったでしょー」


瑠璃の勘は鋭い。


「よーくお分かりで♪」


私はテンションが上がると語尾に♪を付いている言い方になるらしい。


「で、聞けたの?住所。」


瑠璃はいつもの落ち着いた様子で聞いてきた。


「はい!!!!」


「ズルイ―――」


と瑠璃は言った。



私は声のトーンを下げて、


「で?瑠璃は聞くの??」


「………」

瑠璃は突然黙り込んだ。


「どした?」


「もう…無理かもしれない。」


「えっ?」


"何が無理なの?瑠璃。瑠璃は…大丈夫だよ……。かんちゃんは優しいから、大丈夫だよ。"




「この前ね、言われたの。『違う人に勉強教えてもらえば。』って」




「………」



かんちゃんがそんなことを言ったとは…初耳だった。









―――かんちゃん、瑠璃の気持ち気づいてあげてよ。