それから半年ほどたったある日、兄さんからの呼び出しを受けた。





場所はあの再婚報告を聞いたバー






再婚して初めてのこと。







何か、何か嫌な予感がした。







嫌な予感ほどよく当たるとは言ったもので、その日兄さんの口から告げられたのはあまりにも辛い現実だった






「あんずはもう長くない」





「え…?」






「もっと早く気がついていれば……医者のくせに愛する人間一人も助けられないなんて笑っちゃうよな」







その日兄さんは浴びるように酒を飲んだ。普段は無茶な飲み方をしないのに…