りんごへ


何も言わず行ってごめんな

こんな風に文章にするなんて恥ずかしいけど、書くことにする


お前のことが好きだ


この手紙を読んでいるということは何かあったときだと思うが、もし帰ってこれたら1番に返事を聞かせてくれ








有名な戦場写真を1枚同封しておいた。


兄さんの手紙には書いたものの返事を聞く機気などない。


りんごを苦しめるかもしれない。それでも自分の思いを言わずにはいられなかった。



兄さんと秀司の手紙には謝罪とりんごのことを頼むと書いた



初めて会ったときは違う。いつからなんて明確な線引きはできていない。



知らないうちに子どもとして見られなくなって、特別になっていた。




誰かに抱かれたことがあると言ったとき、冷静に努めてみたものの、心の中は知らない男への嫉妬でいっぱいだった。



何人も女がいたはずなのに、いつもどこが違っていて。