「報道写真?」





「そう。この間主催のカメラマンと仕事することがあって」



著名なカメラマンなのだが同い年のせいか妙に気が合い、また仕事をしようと約束している



「言葉には言葉の、写真には写真の強さある」



「へ?」



わからないといったような表情のりんごに語りかける



「言葉はわからなくても、写真だと伝わってくるものがあるだろ?」


「うん」



「そういうこと」



りんごが1枚の写真の前で立ち止まった。引き伸ばされた写真は、展示されている中で1番大きく、目立つ場所に飾られていた



「すごい」



『生』



そう名づけられた写真は彼の代表作とも出世作ともいえる1枚



「すごいね」




この1枚が彼女の未来を変えるなんて予想もしなかった