「曾根君には私も宇宙人に見える?」
「いや、そうでもないよ」
敢えて言うならば、針ネズミってところか。
他人なんて皆、別の生き物だ。
「本当?」
「ちゃんと図鑑に載ってる」
針ネズミなんて言ったら、彼女の場合、真剣に傷付きそうだ。
「あはは、人間でもないんだ」
いや、案外傷付きはしないかもしれない。
「じゃあ文化祭の間はずっと宇宙人捕獲に行っちゃうんだね」
「寂しい?」
軽はずみな発言だった。
耳まで真っ赤に染まったのを見て、しまった、と思った。
慌てて「なんてね」と付け足す。笑って誤魔化すのは慣れていないから、変な感じがする。
どうして僕がこんなに焦らないといけないんだ。
なんだ、この空気は。
黙らないでくれよ。


