少年少女リアル


「やっぱり、ちょっと怒られちゃった」

「そりゃそうだ。半年近く無断で部活出なかったら、普通は退部だろ」

小田切先生にも散々同じ事を言われたのだろうか、奈央は苦そうに笑った。

「でも、私、やっぱり絵が好きだから、ちゃんと続けたい」

「うん」

「嫌な思い出もあるけど、そんな事を辞める理由にしちゃいけないって、ずっと思ってたから」

逃げないように考えていた彼女は、純粋に凄い。


きっと、誰にも逃げたい現実があって、逃げたい自分がいる。

選択一つで全部は変わっていって。我に返った頃にはもう遅くて。

必死に足掻いて、何かを得、失う。


僕等は、そんなものだ。
認めたくなくても、醜くて、不恰好で、綺麗な人間にはなれない。
きっと、誰もがそうだと思う。


それでも、これが、僕等の見るリアルな僕等の姿だった。


秋がもうすぐ終わろうとしている頃、十七歳。



「応援してる」

そう微笑むと、彼女の温かい指が力んで、握り返すには、指が少し痛かった。




―少年少女リアル―