少年少女リアル

 夏目さんはまだ未知で埋め尽くされていた。僕には他人の本当の姿など知り得ない。

現実的なこの人は何でも知っていて、自分がどういう人間かなんて、もうとっくに悟っているものだと思っていた。

でも、違うらしい。
宇宙人に見えても、たかが十七歳の女の子だった。

誰かを羨んで、自分を嫌って、けれど、自分が自分である現実は動かなくて。

きっと、そんな風に思うのは僕だけじゃなくて。

見たくはないけれど、より現実的な自分を見つめて、苦しんでいるのだと思う。
この人も。


「……ああ。だから夏目さんって自分に似てる人を探してるのかな」

「え?」

呆気に取られた顔をした。この人のこんな表情は、初めて見たかもしれない。

「そう、なのかな」

何度か頷いて、夏目さんは柔らかく笑った。