少年少女リアル

 目も合わせてくれない。正確には、俯いてしまって合わせる事ができない。

「聞きたくとも、もう遅い?」

「……遅いよ」

「もう許してくれない、か」


彼女はすぐに頭を左右に一度振った。


すぐに否定したけれど、何かを躊躇うように数秒間口を結んだ後、彼女は小さく「分からない」と答えた。

「分からない?」

「どうして好きかなんて、分からない。考えた事もないよ」

唇も、舌も、微動だにしない。
彼女の言葉が深いところまで沈んでいく。

「でも、曾根君がいいの。最低でも、曾根君がいい。今は誰でもいいわけじゃない」

たちまち笑いが零れてしまった。

浅はかな事を訊いた。
理由なんて、求めてどうする。

「かっこいい」「優しい」「楽しい」「タイプ」、そんな言葉、不必要だった。

そんな言葉じゃ、片付けられない。


知っている。
そんな事、僕だって分かっている。