少年少女リアル

 校門を出ると、疎らではあったが、下校している生徒がいた。
明るい話し声が近付いてはすぐに遠ざかって、聞こえなくなった。

次々に追い越していく。

もっと先か。
もっと、もっと先か。

トンネルを抜け、目を凝らしてみる。


――いない。


人影はあるが、彼女じゃない。


一度足を止めたら、スイッチが入ったように身体がずしりと重くなった。


肩から荷物がずり落ちる。
今まで持っていたはずなのに、ひどく重く感じた。


喉が千切れそうだ。

唾を呑み込むと、乾燥していて、裂けるような痛みが走った。


どこだ。どこにいる。

もしかしたら、もうこの辺りにはいないのかもしれない。


勢いよく飛び出してきたものの、会えるという確信はない。

ただ、無我夢中に、ここまで走ってきた。

愚かで、どこがかっこいいものか。

……かっこ悪い。


でも、こうしなければいけない気がした。

それだけの理由だ。

身体の奥から突き動かされている、そんな感覚なのだ。だけど、それは紛れもなく僕の意思でもあった。


どっと噴き出してきた汗を袖で拭い、再び地面を蹴った。