少年少女リアル

 じっと顔を合わせていると、平野さんは急に目を丸くした。

「王路は?」

「帰ったよ」

「はぁ?」

僕に怒られても困る。
わざとらしく溜め息を吐き、平野さんは首を左右に振った。

「呆れた。心配じゃないのわけ? 冷たい奴ね」

そういうわけでもないし、そうでもない。
佳月は冷たいわけではない。
分かりにくいけれど。


「ところで、後夜祭の後、打ち上げがあるんだけど……まぁ、来れない、よね?」

「体調も体調だし、今日は大人しく帰るよ」

「残念だけど、私もその方がいいと思う」

いつもの平野さんだったら、「来ちゃダメに決まってるでしょ!」とか何とか、ガミガミ叱ってきそうなものだが。

「打ち上げの参加人数、少ないのよね。皆、文化祭頑張ったのにさぁ」

「そうなんだ」

確かに、夏休みを返上してまで頑張った。
気分は盛り上がっているかもしれないけれど、正直、皆もうヘトヘトに疲れているのじゃないかと思う。あくまで僕の予想だけど。

「残念だね」