少年少女リアル

 頭がぼうっとする。日向にいるのに、首周りだけがやけに寒い。
風邪を引いたのだと思う。朝から咳もひどい。

あんなにもひどい雨の中、傘も差さずに帰ったのだから、風邪を引いて当然か。
熱はおそらくあるだろうけれど、もし今体温を計りでもしたら、きっとぞっとするだろうから、計る気にもならない。

ただ、今日という日が早く終わらないかと、ひたすら願うばかりだ。


冴木がトイレに行くと言ってから、もう随分待たされている。
どうやら腹を壊したらしく、全然戻ってこない。「痩せの大食い」のトリックなんて、大体そんなものだ。


校庭の近くのトイレは、泥と尿の混ざったような、ひどい匂いがする。
女子トイレからか、男子トイレからなのか、実際は分からないけれど、多分男子トイレからだと思う。

少し離れたこの場所でも、分かるほどなのだから、ひどいものだ。
高校の掃除がいかに適当に済まされているかが、一目瞭然、いや、一鼻瞭然だった。


「よいしょ」

少し間隔を空けて隣りに人が座った。
服の裾が視界の端に映る。

「サボり? それとも、休憩中?」

顔を上げると、夏目さんは目元だけで笑った。