中庭へ移動すると、櫓でダンスが披露されていた。赤煉瓦の地面が何とも滑りそうで、見ていて怖い。
外から僕等のクラスを見上げると、廊下には凄い人だかりが出来ていた。
「うわ、人凄そうだな」
「飲食ならそろそろ客が引いてもいい頃合いなのに」
見る限り、稀にカップルもいるようだけれど、並んでいるのはほとんど女性客だ。
……世の中、どうかしている。
「一旦戻ってみる?」
「ああ、」と言いかけたところで、ふと昨日の映像がフラッシュバックした。
「……いや、戻らなくていいんじゃない」
あまりクラスには戻りたくない。
向井さんに会いたくない。会わせる顔がない。
今朝も、見かけただけで気が狂いそうになった。
「そう?」
「今戻っても、忙しいのに迷惑じゃないかな」
こういう時だけ、頭は全速力で回転する。それらしい台詞を付け足すために。
卑怯で、有能な、僕の防衛機能である。
「ああ、そっか、そうだな。じゃあ、あんまり宣伝しない方がいいかな?」
「材料がなくなれば、連絡が来るんじゃなかったっけ」
僕の防衛台詞を聞いてニッと笑う。そうだった、と携帯を取り出して、さらに愛らしい表情でまた笑ってみせた。
「異常なーし!」
僕が笑い返すと、冴木はくるりと踵を返した。
「んじゃ、気にせず行こうぜー! 俺、まだまだ食いたいのがあるし!」
外から僕等のクラスを見上げると、廊下には凄い人だかりが出来ていた。
「うわ、人凄そうだな」
「飲食ならそろそろ客が引いてもいい頃合いなのに」
見る限り、稀にカップルもいるようだけれど、並んでいるのはほとんど女性客だ。
……世の中、どうかしている。
「一旦戻ってみる?」
「ああ、」と言いかけたところで、ふと昨日の映像がフラッシュバックした。
「……いや、戻らなくていいんじゃない」
あまりクラスには戻りたくない。
向井さんに会いたくない。会わせる顔がない。
今朝も、見かけただけで気が狂いそうになった。
「そう?」
「今戻っても、忙しいのに迷惑じゃないかな」
こういう時だけ、頭は全速力で回転する。それらしい台詞を付け足すために。
卑怯で、有能な、僕の防衛機能である。
「ああ、そっか、そうだな。じゃあ、あんまり宣伝しない方がいいかな?」
「材料がなくなれば、連絡が来るんじゃなかったっけ」
僕の防衛台詞を聞いてニッと笑う。そうだった、と携帯を取り出して、さらに愛らしい表情でまた笑ってみせた。
「異常なーし!」
僕が笑い返すと、冴木はくるりと踵を返した。
「んじゃ、気にせず行こうぜー! 俺、まだまだ食いたいのがあるし!」


