少年少女リアル

 佳月が交代するのを断ったせいで――元を言えば、冴木がライブを組んだせいだが――冴木は結局代わりを見つけられなかったらしく、ライブの間だけ僕が待たされる羽目に。

もちろん、後で平野さんにバレて怒られるのは目に見えているけれど。


バンドメンバーとの別れ際、冴木が是非僕等のクラスに立ち寄るようにと言ったが、

「男三人で執事喫茶なんか行くわけねーだろ! 執事に接客されても何も楽しくねーよ。可愛い子がいるなら、まだ行ってやったけどな」

と断られてしまった。なるほど、ごもっともだ。
僕なら行かない。


「曾根、あれ食おーぜ」

何かと冴木の指す方を見ると、洒脱な字体でこう書かれてあった。

「『ピロキチによる ピロキチの ピロ式』……? って、何あれ」

「さぁ? 何かの流派じゃねーの」

「それは絶対に違うと思う」

どこかの伝統料理か何かだろう。一体、何の流派だ。

ネーミングセンスからして怪しいが、表看板には三角定規やら分度器が描かれている。余計に怪しい。

「あれ、本当に食べ物売ってるの?」

「と、とにかく! 並んでないし、いいじゃん! あそこで」

「まぁ、いいけど」

じゃあ決定、と一直線にその出店へ向かった。