少年少女リアル

 力が抜けていく。詰まっていた息は、溜め息のように力なく零れていった。


僕は、今……

考える間もなく、答えが返ってくる。

キスをした。彼女に。
触れてはいけないのに。触れては傷付けるのに。傷付くのに。


視線を戻すと、真っ赤な顔で彼女は俯いていた。

身体を密着させたまま、僕のカッターシャツを握っている。


雨音が、うるさい。


「曾根、君……」


やめろ。

やめろ。僕の名前を呼ぶな。
赤くなるな。



僕は、どうして、どうして。どうして。


思い上がっていた。
僕はただの罪人だ。犯罪者だ。勇者じゃない。悪魔だ。最低なんだ。


「曾根君?」

「……やめろよ」

声が震える。

「やめろよ……どうして、いつも、いつも……っ」

「え……?」

見ずとも、彼女の顔から表情から消えたのがわかった。
そして、この先何か言うと泣いてしまうだろう事もわかった。