少年少女リアル

 そこから、すぐ行った所にテニスコートがあった。
毎日この道を通っているのに、建物があったかどうかはうろ覚えだったが、幸い、記憶通りだった。

建物は更衣室か何かで、人はいないようだった。もし一人だったら、こんな所にいる僕は不審者みたいに見えると思う。

見たところ、最近建てられたようだったが、蜘蛛の巣があったり、壁の土汚れがひどかったり。……と、あまり手入れはされていないみたいだ。

それでも、雨宿りできるなら文句は言えない。むしろ、ありがたい。

「ひどい雨」

「土砂降りだな」

首を軽く振っただけで、雫が落ちてくる。
右半身だけずぶ濡れだし、革靴も水が入って気持ち悪い。鞄まで水が滴っている。

「傘のお陰で」と言うべきなのか、「傘のせいで」と言うべきか、左側だけ濡れずに済んでいる。
とても変な髪型になっているだろうと思った。


参ったな。


何の嫌がらせか、ほくそ笑むように、宿を見つけた途端から雷は怒号を止めた。
本当に、都合のいい。憎たらしい。

まだ低い声で唸ってはいるけれど、いざ雨宿りしてみると、雨の激しさの方が問題だった。