少年少女リアル

 さすがに二度目は驚かない。
ああ、鳴っているな。この程度だ。


しかし、そうはいかないらしくて、向井さんはまたもや目を瞑って怯えている。本当に、誰かに怒られているみたいに。

それだけならいいのだけど、僕の腕に身を寄せられては困る。

駅までこの調子が続くなんて、堪ったもんじゃない。
手が少し触れただけでも、憂鬱な気分になるのに。


「もうすぐテニスコートがある。その辺の建物で雨宿りしようか」

「え?」

「怖いんだろ?」

僕に気を利かせたつもりなのか、空はまた一唸りを上げた。

僕の味方なのか。いや、ただのご都合主義か。
初めから雨など降らなければ、こんな事態は免れていたものを。

厭味のような笑いが零れ落ちる。


もう足はそちらへ向かっていたけれど、彼女は小さな声で返事をした。