少年少女リアル

 打ち付ける雨音に混ざり、空が唸りを上げ始めた。

水滴が毛先から頬へ伝う。
本当に、傘などあまり意味はない。こんな大雨の日は特に。僕が今手にしているビニール傘など、論外だ。

葉陰から、暗い不機嫌そうな色が窺える。藍色のような灰色のような、とにかく薄暗い色彩が、僕から見える空一面を斑に塗り潰している。

その所々に稲光のような白い光がちらつく。まるで雲の中で生き物が動いているかのようだ。

今にも雷が――と思った途端。
空が色を変え、怒号のような大きな雷が鳴った。

同時に、ひゃ、と小さく声が左側で上がった。
横目を遣ると、彼女は目まで瞑っている。

「……大丈夫?」

「うん、ちょっとびっくりしただけ」

困ったように笑ってみせる。

……雷が怖いのか?
高校生にもなって、と言えば、厭味であろうか。

僕も多少は驚いたから、他人の事は言えないのだけれど。

光と音がほぼ同時だった。
近くかな、と溢すと、これ以上話させんとばかりに、また大きく唸り始めた。