「そろそろ来る頃だろうと思ってちゃんと用意しておいたよ」

ルイはそう言って大柄な男に紅茶を渡した。

「珍しく客がいるな、とうとう有名になったか？」
「さぁ？わからないよ」

少女の前に出来たてのオムライスをだしながら彼はそう言った。

「で、嬢ちゃん名前は？」
「アンナです」

少女はちょっと困った風にしながらもはっきりとした口調で答えた。

「アンナか、可愛い名前だね」

調理器具を片付けながらルイは言う。

「俺はマルクだ、よろしくな」
「よ…よろしく」

アンナはちょっと戸惑いながら返事をした。

「マルクは大きいからちょっと怖いみたいだね」
「大きくて何が悪いってんだ」
「だれも悪いとは言っていないだろ？」

２人のやり取りにクスクスと笑うアンナ
マルクは優しい眼で アンナを見ていた。