「矢口チーフって、なんか親しみやすい雰囲気もってるよね。」 からかうように言う美沙子を少し横目で睨む。 「聞かれたらどうするのよ。もう少し小さい声で喋りなよ。」 「好感もてるって話しでしょ。聞かれてまずい事は何もないじゃん。」 「それはそうだけど…」 私は美沙子と違って誰にでも景気良く愛想をふりまく事はできない。 小さい頃から、極端に人見知りなのは大人になった今でも変わらないんだ。