どんな些細な仕種も


私はずっと忘れないよ。


最後に彼の横顔を覚えておこうと振り返ったのに…


私の瞼の裏のアルバムに残った最後の彼の姿は


涙で滲んでぼやけていた。


「さよなら…私の運命の人。」



彼の姿は頬をつたって静かにこぼれ落ちる。


私はその足で真っ先に飯島チーフのもとへ向かうと、ポケットに入れておいた辞表を提出した。