「奈緒子は不倫に向いてない。」 「不倫に向き、不向きがあるの?」 「あるでしょ。 矢口チーフは奈緒子の事、どう思ってるの?」 「…初めて会ったときから好きだったって。」と私が言うと彼女は鼻で笑い飛ばした。 「結婚してるくせによく言うよ。 男なんてヤるためなら口先だけの事なんていくらでも言えるもんだよ。」 と乱暴に呟いた美沙子は、私にっていうよりも自分自身に言ってるようにも見えた。