「もう一度だけ、抱きしめてもいい?」


「えっ?!」


「明日、辺見さんの気持ちが変わるかもしれないから…」


「そんな事…」


「…お願い。」


「分かりました。」


抱きしめられると分かっていて抱きしめられるのが、こんなに照れ臭いもんなんだな…と


耳が熱くなっていくのを感じながら。


ほんの数秒の、彼の温もりを忘れないように


この肌に焼き付けた。