私は急いで玄関に行った。
「あっ!!」

心夏のリボンを一人の男子生徒が持っていた。

「あの……。そのリボン私のなので……。返してください。」

勇気を振り絞って話し掛けた。

「え?これ君の?」

「はい……。」

「じゃあさ、ちょっと俺について来て。」

男子生徒は心夏の腕を引っ張り、どこかに連れていった。


「え……ちょ…痛い、、。」

その言葉を無視して、たどり着いたのは“屋上”だった。

「ここ、俺のお気に入りの場所なんだ。」

心夏はいきなり手を引っ張って屋上に連れて来られたうえに、突然そんなことを言われて、何を言えばいいのかわからなかった。

「あ、ごめん。いきなりこんなこと言われても困るよな(笑)俺、隆之介。2組だよ。」

「あ、私は心夏です。1組です。」

「てか、敬語じゃなくていいよ?(笑)」

「あっ……。うん。」
(以外と優しそうだな。)

心夏はホッとしていた。