小森と初めて会ったのは
大学一年の春




俺は一年の前期の選択授業で
産業心理学とかいう
授業を選択した。


選んだ理由はただ単に
授業概要に出席率とレポート一枚による評価と
書いてあったからだ。


授業初日
100人は入れるだろう教室で
俺は後ろの方の席に座った。


授業始まりのベルが鳴り
3人掛けのイスの両端は
後ろからほとんど埋まっていた。

ざっと見渡した限り50人ぐらいだろうか。

そして前のドアが開いて
40歳ぐらいの眼鏡をかけた
小太りの男性が
のそのそと歩き
教壇に立った。

すると横から遠慮そうに女性の声がした。