DVDも見終わって、
一段落していると
小森が何かを発見したようだ。
「あっ、これ私が誕生日にあげたやつじゃん」
と言って透明のプラスチックケースの引き出しを指差した。
それは小森がなぜか誕生日にくれた
ご当地キーホルダーだった。
「あー、大切っていうか、
残しとくって思う物は
そこに入れてあるんだ」
「へぇ、他には何が入ってるの?」
「べ、別に何でもいいだろ」
「あっ、ごめん。
男の子だもんね」
「いや…多分今小森が考えてるもんではない。
ほら、あれだよ。
元カノにもらったやつとか」
付き合っていた人に未練を残すタイプではないけれど、
俺は元カノからもらったアルバムを
捨てようという気にはならなかった。
