君との、物語

少しだけ雨が小降りになっていて、私は傘を差しながら優太郎くんのことを考えていた。
そうしたら、後ろから高校生の声が聞こえてきた。
それは、優太郎くんだった。
私は、１人だったら声をかけたかったけど、他にもたくさん高校生の人たちがいたので、そういうわけにもいかず、ただ無言で優太郎くんたちのグループを眺めていた。
そうしたら、優太郎くんと目が合った。私は、慌てて目を逸らした。
「何で、目逸らすの～？」
って、私に優太郎くんは微笑みながら言った。
「えっ？」
「おお～。これが噂の優太郎の～」
「なになに？あっ！君が！！」
「えっ？？」
「おいおい、この子固まってるって！」
「あっ！ごめんね！」
「大丈夫？」
「あっ！全然大丈夫です・」
「かわいいね～。俺と付き合わん？」
「へっ？」
「こらこら～、ダメだから！」
優太郎くんと数人のメンバーは、爆笑しながらコントをしていた。
それから、優太郎くんはその人たちと別れて私にミルクティーをおごってくれた。
寒かった手に暖かいミルクティーは染みた。
「さっきは、ごめんな・」
「いや、全然！なんか、楽しかったです！！」
「あはは。けど、前に少しだけの話をしたら、会ってみて～って、騒いでてそうしたら、今日会ったからさ？すんげー、喜んでたわ」
って、笑う優太郎くんはすごく友達が大事なんだろうなって、思った。
それから、優太郎くんと別れて、迎えに来てもらった。
優太郎くんが、本当に好きになった一日だった。