その日は、一日雨が降っていて、とてもじゃないけど、告白できる状態ではなかったんだけど・・。
亜美は、朝からテンションが変だった。
高いんだか、低いんだか分からないテンションでこちらとしてはすんごく困るけど・・。
だけど、今日は亜美は本当にお世辞抜きに綺麗だった。
毎日、亜美を側で見てきたのに元々可愛い亜美が、可愛いから綺麗になっていた。
昨日、『明日、16時30分に桜の木の下来て下さい』って、メールを送ったけど、返事は来ていなかったらしくて、正直すんごい心配していた。
そして、学校が終ったのは16時00分。
教室に2人、残る。私と亜美。亜美は今にも泣きそうな顔をしていた。
「大丈夫??」
「ダメ。ヤバイ。本気で泣きそう・・・」
って、本当に涙が出ていた。
私は、慌ててポケットからハンカチを出して、亜美の手に握らせた。
「大丈夫!亜美。ここからは自分との勝負だからね!私は一緒に行ってあげれないからね!」
って、言うと、亜美は少しだけポカンとした後に、私の渡したハンカチで涙を拭くと鏡で自分の顔を見たあとに、
「いってくる!」
って、私の大好きな大きな笑顔で歩いて行った。
私は、その後姿が見えなくなるまで見送った後、教室へ戻った。
きっと、亜美は上手くいくだろう。私はそんな気がした。
そうしたら、亜美と祐也くんが手を繋いで笑っているところを見た。
私は、その光景を見て、心の荷が降りて、1人で帰る準備をしていた。
それから、学校を出て駅の方向へ歩いていた。