「お前…これでもまだわかんない？オレがお前と二人きりになりたいって言った理由？」



「えぇっと…もしかして私抱き枕がわりとか？」



「…………。」


佐伯悠哉はその答えに驚いているようだった。


「だって…!!私のこと…だ、抱き締めて『落ち着く』って言ったじゃない！確かに私は痩せてる方じゃないから、それなりに抱き心地はいいかもしれないけど…」



「お前それ…本気で言ってんの？」



「だって…人前じゃ抱き締めるなんてことできないじゃない！ここなら誰も見てないから…。二人きりになりたい理由ってそれしか思い付かないよ…。」



佐伯悠哉は「はぁ〜」と呆れたように溜め息をついた。



「まぁ…わからないならいい。」


「えぇ!!よくないよっ！ちゃんと教えてよ!!」



「今はまだ言わない。お前が自分で気付くまでは。」


「ちょっと何それ!?」



そんなやり取りをしているうちに昼休みの時間は過ぎていった。