君だけしか映らない


―――

―キーンコーンカーンコーン



(あ〜やっとお昼だ。お腹すいたな〜。)


あれからHRが始まり、佐伯悠哉が自分の席に戻ってきた。

何か言われるんじゃないかと笑美はずっとそわそわしていたが、授業中は一切話しかけてくることはなかった。



お昼を食べようとカバンからお弁当を取り出してる時だった。



「荒川。」



「…え?」


いきなり名前を呼ばれて笑美は驚いた。まさかもう呼ばれることはないだろうと思って気を抜いていたからだ。


「…何?佐伯くん。」



「なんか食い物買ってきて。これでよろしく。」


そう言って千円札を渡される。


「ちょっ…!なんで私がアンタのお昼ご飯を買いに行かなきゃいけないのよ!」


佐伯悠哉はその言葉にハァ〜と溜め息をつき、呆れたような顔をする。


「なんでって、お前がオレのパシリだからに決まってるだろ。いい加減自覚しろよ」


そう言って佐伯悠哉は席を立った。



「ちょっと…どこ行くつもり?」



「屋上。オレのメシ買ったらそこまで持ってきて。食べ物はお前に任せるから」


そう言って佐伯悠哉は教室を出て行った。