君だけしか映らない

「…私1人で帰るから。じゃあまた明日学校で。」



そう言って笑美はそのまま佐伯悠哉を無視して歩き出した。



―ガシッ。


「待てよ。」


思いっきり腕を掴まれる。

「離してよ…。」


「何怒ってるんだよ。」


「別に怒ってなんかっ…!ただ…やっぱり佐伯くんとはあまり関わらない方がいいって思っただけ…。」


「は?なんだよそれ。」

佐伯悠哉の低い声が響く。

「とにかく一緒に帰るから。」


そう言って強引に腕を引っ張り歩き出す。


「ちょっと…!」と笑美が抵抗しても佐伯悠哉はお構い無しに歩いて行く。