君だけしか映らない

そんな佐伯悠哉をよそに、笑美は店の中を動き回っていた。


たまに佐伯悠哉の前を通り過ぎるが、笑美は佐伯悠哉を見ないように通り過ぎていた。

でも佐伯悠哉からの視線はなんとなく感じ取っていた。


(なんか…見られてる?いや気のせいだよね…。)


そう思った時―。


「ちょっと店員さん。」


「え…?」


そう呼び止めたのは佐伯悠哉。


「モンブラン1つ。」


「えっ?あ…はい…!」


突然の佐伯悠哉からの注文に驚いた。

てゆーか…

「…まだ食べるの?」


思っていたことがふと言葉に出てしまった。