君だけしか映らない

なんだか調子が狂う。

パシリにはなっちゃったけどここまでする?バイト先まで来て人を監視するみたいに…。


そこまで私に嫌がらせして楽しいのか佐伯悠哉!!


もう意味わかんない…。



「荒川さーん!次これ10番テーブルにお願いねっ!」

「は、はい!!」


いけない!今はバイト中なんだから仕事に集中しないと!!



「お待たせしました。こちらポテトの盛り合わせになります。」


10番テーブルに着くと女子高生が四人。制服から見て他校の子だ。



「ねぇ、あそこでパフェ食べてる男の子超かっこよくない?」


「わっかる!!私もこの店に入ってきた時から思ってた!!」


「1人なのかな〜。それとも誰か待ってるのかな〜。」


この会話からして『1人でパフェを食べてる男の子』が佐伯悠哉だとすぐわかった。


(すごいなぁ。佐伯悠哉ってやっぱどこでも人気なんだ…。)


「失礼します。」


一礼して笑美は10番テーブルを離れた。


よく見れば周りの女の人達はチラチラと佐伯悠哉を見ている。

食べてるものがパフェという可愛いものでも佐伯悠哉が食べればかっこよく、そしてスプーンを舐める仕草が色っぽい。