君だけしか映らない

「じゃあこれ5番テーブルにお願い。」


「はい、わかりました。」

夕方は学校帰りの学生などで意外に混む。



「お待たせしました、こちら…」


そう言った笑美は5番テーブルのお客を見て固まる。

(げっ…!!佐伯悠哉!!)


それでも平常心を保ち会話をする。


「こちら…特製いちごパフェになります。…以上でよろしいでしょうか?」


チラッと佐伯悠哉の顔を見る。


「お前、バイト何時まで?」


「…は?それは…お客様に関係あるんですか?」


佐伯悠哉はスプーンで生クリームをすくいながら溜め息をつく。


「…普通に話してほしいんだけど。」


少し拗ねたような横顔に笑美は申し訳なく感じてしまった。


「…帰りは8時までだから…。じゃ、失礼します。」

笑美は一礼し、その場を去った。