君だけしか映らない

「あの佐伯くん。悪いんだけど私ここで別れたいんだけど…。」


笑美の言葉に佐伯悠哉は足を止める。


「お前のうちってここら辺なのか?」


「いや、家はまだ先なんだけど…。」


「じゃあなんでここなわけ?」


「えっと…。」

そう言って笑美は指をさす。


「ファミレス?それがなんだよ。」


「私あそこのファミレスでバイトしてるの。」


「は?バイト!?」


佐伯悠哉は驚いた表情で笑美を見た。


「今日用事があるって言ったでしょ?私がバイトしてるのがそんなにおかしい?うちの学校バイトは校則違反じゃないし。」