君だけしか映らない

オレは慣れた手付きでUFOキャッチャーを操作していく。



「うわぁ…!すごい!!」


すると荒川が興味津々にオレに近付いてきた。


「すごいすごい!!佐伯くん上手だね!!」



――予想外だった。


興奮ぎみの荒川はオレの肩をバシバシ叩きながら喜んでいた。



荒川が自分からオレに触れてくれるなんて…



嬉しくて嬉しくて仕方ない。



「いてーよお前。そんなに叩くな。」



その言葉にハッとした荒川は、恥ずかしそうに目を伏せた。



「…ごめん。」



「別にいいけど…。ほら、これやる。」


「え…?」



そう言ってオレはネコのぬいぐるみを荒川に差し出した。



「えっ…でも悪いよ…せっかく取ったのに…。」



「男がぬいぐるみなんて持ってても気色わりーだろ。…いらないなら捨てる。」


てゆーか、最初からお前のために取ったんだし。



「えっ!!い、いる!!捨てるなら欲しいです!!」


「…ったく、最初からちゃんと言えっつーの。」



そう言ってオレは荒川にぬいぐるみを手渡した。


「…ありがとう。」


荒川の本当に嬉しそうな笑顔に、オレまで嬉しくなる。



「ふふっ…すごいかわいい!!佐伯くん、大事にするね」



「っ………!」



…それは反則だ。ここでその笑顔は…!


抑えていても、自分の体温が上がっていくのがわかった。