君だけしか映らない

それから胸の高鳴りを抑えながらずっと荒川を見ていたけど、さすがにこれ以上は居座れないな…。


一人で何時間も、パフェとモンブランだけでファミレスにいるのはそろそろ限界だ。


時計を見ればもうすぐ8時。


オレは会計を済ませ、外で荒川が終わるまで待つことにした。



―――



「佐伯くん…帰ったんじゃなかったの…?」



店から出てきた荒川はオレの姿を見るなり口を開いた。



「今から帰るけど?」



「いや…だからなんでいるのよ…。私はもうとっくに帰ったと思ったんだけど」


「なんでって…。そんなんお前を待ってたからだけど?」



オレがそう言うと荒川は表情を曇らせた。



「…意味わかんない。」


ボソッと小さな声で荒川は呟いた。



「…私1人で帰るから。じゃあまた明日学校で。」



そう言って荒川はそのままオレを無視して歩き出した。