君だけしか映らない


―キーンコーンカーンコーン


ちょうどその時チャイムが鳴った。


「じゃあ今日はここまで」

そう言って先生は教室を出ていった。途端にクラス中が騒がしくなる。



だがオレと荒川の周りには二人だけの空気が流れている感じがした。


周りはガヤガヤとしてオレたちの会話は聞こえていない。


そしてオレは口を開く。



「別にあの程度の問題なんてたいしたことねーよ。ま、でも荒川は無理かもな」

嫌味で意地悪。だけど冷たい言い方はしない。


「なっ…!そんな言い方しなくてもいいでしょ?」



「じゃあ解けたのかよ?」


「そ、それは…」



「やっぱ無理なんじゃん」



普通に会話している…。


荒川にとってみたらきっとオレは『嫌味で嫌なヤツ』かもしれないけど…。


それでも今はいいと思った。


この態度で接すれば、周りの女子も荒川をひがんだりはしない。はたから見ればオレが荒川をバカにしている様にしか見えないから。


オレはこの『嫌味キャラ』で荒川と接するようになった。