君だけしか映らない

話したい…。



でもまた荒川がツラい思いをするのは見たくない。



だが時折、荒川と話す時があった。内容はほとんど事務的なことだったが。



「佐伯くん…今日日直だよね?日誌なんだけど、今日先生用事があって早めに帰るみたいだから、4時半までには職員室に出しに来てほしいって…」



「…………。」



「あの…聞いてる?佐え…」



「…うっせーな。聞こえてんだよ!!」



「…っ!!ごめんね…」


そう言って荒川は足早にオレの元を去っていく。



(クソッ……!!)


ホントはあんな風に言いたくないのに…。


荒川の寂しそうな表情が頭から離れない。



オレは荒川と話す時はいつも冷たい態度を取った。



おそらくオレはもう完全に荒川に嫌われてるだろう…

オレに『優しい』と言ってくれたが、きっともうオレのことをそんな風に思ってはいないだろう…。