君だけしか映らない

それからも淡々とした日々を送り、学校では文化祭の季節が近付いてきた。


荒川との関係も相変わらずのままだった。



「それでは、うちのクラスはメイド&執事喫茶が多数決によって決まりました」


文化祭が近付き、クラス委員の荒川は忙しそうだった。


「では、さっそくだけど役割分担を決めます!メイドと執事をやってくれる人、調理をする人、受付係、あと衣装係かな」


荒川がみんなの前で司会をする。



「私、悠哉の執事姿が見たい〜!!」


「絶対似合うよね!!」



は……?何でオレが…


女子たちは一斉に騒ぎ出し途端に教室中がうるさくなる。



「春樹の執事姿も見たいよね〜!!」


「わかるー!!二人並んだらもう最高じゃない?」



何勝手に盛り上がってるんだよ。そんなコスプレみたいな格好して動き回るなんてごめんだ。めんどくせーよ。



「オレは別にやっていいけど?」


「なっ…!!ハルっ!!」



そういやハルは昔から目立つことが好きだった。しかも女子からこんな風に言われたら、その気になってしまう。