泣きたいわけじゃなくて

―その頃の拓海&美奈―



2人は只今商店街で放課後デート中。


手を繋いではいるものの、なんとなく2人には見えない距離があった。



「拓海〜!あのケーキ屋さんのモンブランがメッチャ美味しいんだよ♪
知ってた?」



「…。」



「拓海ッ!」



「わっ?!ごめん。どうした?」



「どうした?じゃないよ!そっちこそ上の空でどうしたの?」



「イヤ…なんでもない。」



「嘘つかないでよ!ずっと上の空じゃん。
ねぇ、本当に私の事好き?」



「あぁ。好きだよ。」