「そうよ。あんだけ、私にあんなことしたんだから。」


これ以上、触れさせない。


「それにいつだって。俺にはチャンスがあるからね。」


そう言い、紳二は立ち上がった。その時はじめて、紳二が一人の男に見えた。


「紳二。」


私も立ちあがった。