翌日学校へ行くと
逢坂はもう席に座っていた。
「おあよ」
『おはよぅ・・・』
「どうかしたか?」
あたしの異変を察したのか優しい口調で話しかけてきてくれた。
『・・・あのね』
「高梨のことだろ?」
あたしが言う前に気づいてくれた。
なんだかホッとしちゃった。
『うん・・・』
「で?どうだったの?」
『・・・別れられなかったぁ・・・』
あたしは逢坂に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
一粒の涙があたしの頬をつたった。
「鈴宮??お前泣いてんのか?」
『泣いてないッ!』
あたしは教室からダッシュで出て行った。
もうこれ以上、逢坂に涙を見られたくなかったから。
――ドンッ!
『いったぁ・・・』
誰かにぶつかっちゃった!!
『すみません!』
「涼宮?泣いてんの?」
この声聞いたことあるような・・・。
そっと顔を上げた。
『関根クン!』
あたしの隣の席の関根クンだった。
寝起きなのか寝癖がついていて、目は半開きみたいな状態。
「泣いてるとせっかくの顔が台無しになるよ?」
『ななな、泣いてないぼんッ!』
「ぼんッ!ってなんだよ」
クスクス笑う関根クン。
笑顔見たの初めてかもしれないなぁ。
関根クンがあまりにも笑っているからあたしもつい、笑ってしまった。
「よかった」
『え?なにが?』
「やっと笑ってくれた。さっきまで泣いてたくせに」
『だから・・・泣いてないってば』
見栄を張る。ホントは泣いてたんだけど。
「人間1番良い表情は、笑顔だと俺は思う」
『うん。あたしもそう思う』
「あのさ・・・」
少し間をあけてから関根クンが口を開く。
『なに?』
「元気になる場所。一緒に行ってくれない?」
