翌日の朝、逢坂に謝ろうと思ったあたしは体育館裏に呼び出してもらった。
『逢坂っ』
逢坂は黙ったまま。
優柔不断のあたしにまだ怒っているのかもしれない。
『ごめんねッ・・・』
逢坂は一瞬驚いて見せたけど
やっぱり黙ったままだった。
あたしはそれでもかまわないと思って続けた。
『せっかく助けてくれたのに、怒鳴ったりして・・・』
沈黙が続く。
『・・・』
「・・・」
その沈黙を破ったのは逢坂だった。
「俺、お前が好きだ」
『えッ!!?』
「しょっ!正直お前なんか全然タイプでもなんでもねぇけど!気づいたらお前のことばっか考えるようになってたんだよッ!」
ドキッ・・・。
またこの気持ち・・・。
健吾といるとき、こんな気持ちになったこと無い。
「お前には高梨がいるもんな」
『・・・』
「俺の告白は忘れてくんねぇかな?」
照れくさそうに笑う逢坂。
けど顔は笑ってない。切ない表情をしている。
その顔を見てあたしも胸が苦しくなった。
あたし・・・。
―――逢坂が好きなんだ。
『待って!!』
立ち去ろうとした逢坂をあたしは呼び止めた。
『ぁ・・・ぁたしも逢坂が好きっ!』
逢坂はびっくりしていた。
けどにっこり笑って「俺の方が好きだよ」と言ってあたしのほっぺにキスをした。
幸せな時間だったけど
この後、不幸に落とされるなんてあたしは知るよしもない。
