それはともかくッ!!
健吾の手当てが優先だッ!
「俺はだいじょーぶだから・・・」
『でも・・・』
「授業に戻った方がいいんじゃないの?」
『・・・うん』
理科室へ戻ると逢坂はすでに座っていた。
「鈴宮さん。足は大丈夫なの?」
『はい。もう自力で歩けます』
「じゃあ席に戻って」
『さっきはありがとね・・・』
「・・・」
逢坂に思い切って言ってみるけど返事はなくて。
なにやってんのあたし・・・。
結局あたしはどっちの味方なんだろう?
授業は身に入んなくて放課後になった。
「真柚ッ!」
『健吾?大丈夫なの?』
「真柚と帰れるなら大丈夫だっての!」
『ぁはは・・・』
太陽は落ちて薄暗い道を2人で歩く。
「真柚」
『ん?』
「俺と逢坂どっちが好きなの?」
『えっ・・・』
予想外の質問。もちろん答えは出ていた。
『何言ってんの!健吾に決まってるじゃん!』
「だよな~」
逢坂は好きじゃない。けど・・・けど・・・。
答えは出ていたけど、健吾とも言えないよ・・・。
