男の子はあたしのほうに深々と頭をさげた。
「ごめんなさい!!」
「あっ、ううん、いいよ」
「あっ、どうも・・・」
なんか危なっかしかった。
ほっとけいないような・・・。
「何歳?」
「えっ、僕ですか??高校1年です!」
あれ…??同い年…。
あたしは心のなかで1人の人を頭に浮かべた。
もしかして…。
「ねぇ…名前、薫??」
「えっ、…そうだけど?」
「うそ…、あたし、咲。葉山 咲だよ!!」
「えっ…咲…かぁ??」
あたしは薫に抱きついた。
そう、薫はあたしの実家のお隣さん。
会うのは、あたしがこっちに引っ越したとき以来だった。
幼稚園も、小学校も中学校も一緒だった薫。
とても中がよくて、
自然と笑顔でいられる存在。

