『あの…。お客様。』
気がつけば横に、店員が立っていた。
顔を上げた瞬間、俺は目を見開いた。
自分の心臓が、力強く脈打ってるのがわかる。
そこにいたのは、透き通るように白い肌をして、力強い目、サラサラの長い髪を横で結んだ、“綺麗”という言葉を、形にしたような女が立っていた。
さっきのカウンター内にはいなかった人だ。
こんな美女、いたら絶対に気付いている。
『あのー…??』
なかなか返事をしない俺に、彼女がもう一度話しかけてきた。
『え、あ、はい。なんですか??』
思わずどもってしまった俺に、彼女は優しく微笑みかけてくれた。

