休み時間になった途端、一人の女子が近寄って来た。 「学校の中、案内するから、来て~」 なんなの。 「あっ、名前言ってないね。あたし、宮川結衣佳(みやがわ ゆいか)。よろしく~」 名前なんてどうでもいいし。 「ほーらっ!行くよ。」 その子は、あたしの手を握って歩き出した。 あたしはなぜか、その手を祓わなかった。 ほんとは逃げたかったのに。その子の手が温かかったから。 これが、結衣佳との出会いだった。