ガラカラ…
ゆっくりと下を向いたま、ドアを引く。
「愛梨亜ちゃん!」
最初に聞こえて来たのはママの彼の声。
そして…
「愛梨亜?」
いつも聞いて来たママの声に顔を上げるとベッドから起き上がって座って居るママが居た。
『ママ!大丈夫!?』
あたしは駆け込むように阿部くんと病室に入り、ママの側に行く。
「愛梨亜、どうして…」
「僕が呼んだんだよ。君が急に倒れるから」
「もぉ~、何て言ったか知らないけど、大袈裟よ。只の貧血なんだから」
『貧血…?』
な、なんだ…。
その言葉を聞いて少し力が抜ける。
「貧血を甘く見てちゃダメだよ!君は1人の体じゃないんだから!」
「はいはい。あなたもごめんなさいね?こんな日に病院に来る事になっちゃって」
ママが阿部くんに向かって申し訳無さそうに言う。
「いえ…」
「もぉ!愛梨亜もデートならそう言えば良いのに。彼氏じゃないなんて言ってお付き合いしてるんじゃない♪」
『はっ?付き合って無いから!』
「またまた~!手繋いで何言ってんのよ!」
ママの言葉にハッとして自分の手元を見て、慌てて離す。
タクシーから繋ぎっぱなしだったみたい…。
それどころじゃなくて忘れてた…。

