あたしがちゃんと話し聞かずに家を飛び出したりしたから…?
そういえば最近顔色悪かった…。
気付いてたのに、大した事無いって決め付けてた。
ママのお腹には赤ちゃんだって居るのに…!
ママまで居なくなったらあたしどうしたら良いの……?
大通りで通りかかったタクシーを安部くんが捕まえて、乗り込む。
普段自分だけで乗る事なんて無いタクシー。
こんな時に座ってじっとしてる事が落ち着かなくて、ママを失うって考えたら怖くて体が震える。
キュッ
左手が優しく握られて、横を見ると、「大丈夫だから」って感じでこちらを見てる安部くん。
その優しさに少しだけ震えが治まって、あたしは強くその手を握り返した。
それでもやっぱり着くまでの時間は長く感じて、気を紛らわすためにタクシーの窓から空を見上げる。
やっぱり曇ってて陽が射しそうもない。
お願い…ママを連れて行かないで。
パパ、ママと赤ちゃんを守って…!
祈るように病院に着くまで空を見つめ続けた―――…。

