「優しいな愛梨亜は」
話し終わると、今まで黙ってた安部くんが言う。
『えっ!』
その言葉に驚いて、今まで下を向いていた顔をあげて、安部くんの方を見る。
『全然優しくなんか無い…』
何で今の話し聞いてそうなるの…?
「優しいよ。亡くなってもパパを思いやったりしてるじゃん」
『そんなの優しいって言わないよ…』
「いーや愛梨亜は優しい…」
『優しくなんかないっ!』
安部くんの体を押すようにして、勢いよく離れる。
『今日だって、ママ達の話しを聞きたくなくて、安部くんとのデートOKしたんだよ!?』
もし、本当に安部くんがあたしに好意を持ってくれてるんだとしたら、最悪以外の何物でも無いよ…。
「…そんなの気付いてたよ」
『えっ…』
「愛梨亜ん家の事情まではもちろん知らないけど、何かあったんだな、とは思ってた」
『じゃあ…何で怒らないの!?あたし安部くんを利用しようとしたんだよ!?』

